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ジャンル 経済学

多文化共生時代への経済社会

野口教子編著

定価2,200円/本体2,000円
四六判上製本/282ページ/ISBN978-4-7556-1323-4
2022年3月発行

受け継いできたことを多文化共生社会で活かすには。
わが国ではアジアとの物流とアジアからの外国人住民が増加し、伝統的な世界観では立ち行かない多文化共生の時代が始まっている。政府もプランを策定し、地域における多文化共生の推進を促している。しかし、戦後教育ではアジアあるいはユーラシアの一員という視点が欠落していたため、いまだに私たちは米国を中心に物事を考えがちである。そこで本書では、多文化共生をめざすわが国とアジア・欧州との関係において、社会、経済、産業、文化、芸術、教育などの分野で継受し現在に至っていることを3部構成で多角的に分析し、グローバル社会での日本の方向性を探った。

第1部 二つの世界の文化・芸術・教育の交流
第1章 アジア地域の政治と文化比較 宋 錫源
1 アジア共同体の構想
2 人類文明の宝庫としてのアジア
3 現代アジアの政治と文化

第2章 社会教育からみるユーラシアと日本のかかわり 藤田公仁子
1 世界との結びつきのなかで
2 生涯学習時代の到来
3 社会教育と生涯学習
4 現代社会と社会教育・生涯学習
5 地域における社会教育・生涯学習の展開
6 継続する「学び」の行方

第3章 日本語と英語の言語表現と事柄の捉え方 屈 莉
1 語彙からみた日英母語話者の事柄の捉え方
2 語順からみた日英語母語話者の捉え方の違い
3 言語表現,文化の違い,生活の質は捉え方がすべて

第4章 ユーラシア地域における芸術の交流と融合 山内清香
1 ユーラシアから日本へ 書の世界へようこそ
2 「高岡」からみる萬葉集
3 時代とともに変化してきた漢字
4 「鳳凰」とは
5 「能」
6 さらなる文化・芸術交流の発展へ

第5章 教育におけるカンボジアとユーラシアのつながり ロイ・レスミー
1 カンボジアの現状
2 カンボジアの教育事情とその課題
3 カンボジアの文化
4 カンボジアの歴史
5 アジア共同体創成へのカンボジアの役割
6 カンボジアとユーラシアの繋がりによって期待すること

第6章 関野貞の中国芸術・建築第一次踏査 蔡 敦達
1 関野貞という人物
2 関野貞の中国芸術・建築踏査
3 関野貞の第一次踏査
4 関野貞の中国芸術・建築踏査が遺したもの

第2部 二つの世界と経済・産業の関わり
第7章 アジアの経済成長とグローバル・サプライチェーンの形成 石川啓雅
1 生産過程のグローバル化と二一世紀アジア経済
2 グローバル・サプライチェーンの編制原理―市場と企業―
3 アジアの経済成長/発展の光と影
4 問われる社会的分業の編制原理―「共生」する社会を目指して―

第8章 ユーラシアをめぐる租税制度 野口教子
1 租税について
2 国際取引等と税制
3 国際税制の重要性
4 海外諸国との比較

第9章 日本とユーラシアの知的財産制度 金井重彦
1 知的財産法とは
2 知的財産権と思想・イデオロギー
3 国の経済発展状況と知的財産権
4 ユーラシアの知財法―アジア,知的財産権の東漸・南下―
5 現在進行中の知的財産法制の整備の問題
6 国家と知的財産権
7 国境を超えはじめた産業財産権の動き
8 国家ごとから地域への広がるヨーロッパの産業財産権
9 国内の地域と知的財産制度
10 世界的な地域表示の要求

第10章 航空流通にみるユーラシアのつながり 菅原貴与志
1 日欧間の出入国旅客数
2 航空法ことはじめ
3 航空初期の史的展開
4 パリ条約とワルソー条約
5 航空中期の史的展開
6 国際航空政策に関する主導権の変遷
7 アフター・コロナの日欧協調―新しい時代へ―

第3部 二つの世界が共通して直面する社会問題
第11章 ユーラシアにおける環境問題と法 植木 哲
1 ユーラシア(ヨーロッパとアジア)における環境問題
2 ユーラシア(さらには世界)における環境問題の法的解決策
3 国際環境法の目的と意義
4 義務違反説による問題提起

第12章 韓国の医療紛争解決システムから考えるユーラシアの医療紛争 李 庸吉
1 韓国における医療紛争をめぐる問題状況
2 医療紛争調停法制定前の状況
3 医療紛争調停法制定と新制度導入
4 医療仲裁院の機能と実績
5 医療紛争解決への今後の取り組み

第13章 ユーラシアにおける高齢者介護と家族問題 石田 瞳
1 高齢化と介護問題の所在
2 スウェーデンの介護事情
3 ドイツの介護事情
4 要介護者の自立と今後の課題 275


編者紹介
野口教子(のぐち・のりこ)第8章担当
高岡法科大学法学部教授(副学長)
高千穂商科大学大学院経営学研究科博士課程単位取得満期退学。
『IFRSを紐解く』(共著)森山書店,2021年。
『事業者のためのパンデミックへの法的対応』(共編)ぎょうせい,2020年。

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